火災や水害の現場にいち早く駆け付け、地域防災力の要となってきた消防団員の人数が東日本大震災後、大きく落ち込んだまま回復していない。原因はどこにあり、解決策はあるのか。長年調査を重ねてきた消防団研究者の後藤一蔵さん(75)=宮城県美里町=に聞いた。
震災で壊滅的な被害を受けた道路や公共施設といったハードは10年間で復旧したが、自治体の消防本部を支え、地域の安全を確保してきた消防団組織というソフトインフラが元に戻らない。現状は地域住民にとって危機的だ。
震災の影響が最初に現れた2012年に人数が大きく減り、次いで19年から20年にかけ減少幅が大きい。10年間という時の流れで、当時の50代が肉体的にきつくなったり、定年になったりして退団。若者が少なく50代が多い構造が響いた。
被災した岩手、宮城、福島3県の計42市町村のうち、10年比で減少率が20%以上の14市町村が象徴的だ。
岩手、宮城両県では、震災で犠牲になった団員数と団員の減少に相関関係があるとみられる。陸前高田市の51人、石巻市の27人、名取市の20人など、死亡・行方不明の団員の存在から「消防団は危険だ」という想像を膨らませ、入団しようと考える人がいても、家族が反対するのだろう。
福島県は原発事故で団員が散り散りになり、消防団機能が損なわれたことが挙げられる。団員同士はもともと仲間意識が強い半面、横のつながりがなくなれば退団に傾いていく。避難によって守る土地がなくなり、意欲を失ったこともあるだろう。
災害時に消防署員の活動を後方で支えるという性格上、消防団員の活動は住民から見えづらい。都市部には消防団がないと思い込んでいる市民も多い。これまで勧誘は団員間の地縁や血縁に頼ってきたが、もう少し自治体が先頭に立ち、住民に活動を紹介し、その存在意義を周知することに力を注がなければならない。
ただ、こうした抜本的対策は時を要するし、いつ、また津波のような大規模災害があるか分からない。現状は居住市町村内に限られる活動地域を広げられるよう、沿岸と内陸の自治体同士、消防団員が相互乗り入れできる協定などをあらかじめ結んでおくべきだ。県が音頭を取り、検討する必要がある。
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