宮城の老舗「玉松」しょうゆ復活 東松島の同業者が継承、10日に発売

復活する定番商品の混合しょうゆ「松醤油」(右)と万能調味料「味タママツ」
東松島長寿味噌の社員と復活した商品の販売戦略を話し合う渡辺さん(右)=宮城県大河原町

 宮城県東松島市のみそ・しょうゆ製造販売「東松島長寿味噌(みそ)」は、1937年創業で2019年1月に事業停止した同県大河原町の「玉松味噌醤油(しょうゆ)」の定番商品を継承し、10日に復刻版を発売する。県南地区で根強いファンが多い玉松ブランドを同業者が受け継ぐ業界でも珍しい取り組みとなる。
 発売するのは、混合しょうゆ「松醤油」(1リットル、518円)と万能調味料「味タママツ」(1リットル、972円)。玉松味噌醤油の社長だった渡辺芳徳さん(78)の監修を受け、東松島市の工場で「玉松式」の原料の配合や火入れの温度管理を実践。商品には昔ながらのラベルを貼る。
 後藤秀敏工場長(52)は「松醤油はシンプルだが、簡単にまねできない味。ラーメンから煮物まで何でも合う」と話す。渡辺さんは「大手に負けない味に仕上げてもらった」と太鼓判を押す。
 玉松の事業停止後、「なじみの味を復活させてほしい」という消費者からの要望を受け、両社の販路拡大を支援してきた仙台商工会議所のコーディネーターが仲介。玉松の清算時に東松島長寿味噌が中古の釜を買い上げた縁もあった。
 東松島長寿味噌は18年に事業停止した高砂長寿味噌本舗(宮城県石巻市)を建設業の橋本道路(東松島市)が事業を引き継いで誕生。今回も地域に親しまれた味を継承する。販売エリアは長寿味噌が仙台圏から沿岸地区、玉松が県南地区と住み分ける。
 長寿味噌の渡部修文営業本部長(57)は「県南の商店に復刻商品の営業をかけると、『玉松』と言うだけで味見せずに即断してくれた。商品が浸透していることを実感した」と話す。
 渡辺さんは事業停止後も玉松ブランドを守ろうと、商標登録の更新を続けてきた。渡辺さんは「祖父から3代続いた店を畳むことになり、申し訳なく思う。長寿さんと出会い、創業以来受け継いだ味をまた地域の人に楽しんでもらえるとうれしい」と言う。
 県南地区の酒屋や道の駅、仙台市青葉区の藤崎本館など約30カ所で販売する。同じく玉松ブランドとして12月中旬に県産ユズを使った「ゆずぽん酢醤油」、来年2月に減塩みそ「あなた思い」も発売する。日本料理店向けにかつおだし入りの「土佐しょうゆ」も生産する予定。
 連絡先は東松島長寿味噌0225(83)1550。

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