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うたの泉(1431)つはぶきの黄色(くわうしょく)ぬばたまの夜にして 土に低くし湧きし花びら/森岡貞香(もりおか・さだか)(1916~2009年)

 「つはぶき」の花。風景から色が失われ始める初冬の街の中、小さな黄色は目に残りやすく。掲出歌は「ぬばたまの夜」と対比させることにより、色彩をいっそう際立たせています。結句「湧きし」の動詞の選択が効いています。暗く、よく見えない中、「黄」色を「湧」いているようだ、と捉えたのです。植物を観察し、自分の側…

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