うたの泉(1434)神ということばを聞かぬこの冬の かすかに革の匂う手袋/杉崎恒夫(すぎさき・つねお)(1919~2009年)
小さな頃から、神様はいる、と感じてきました。神様ではなく、お天道様でも仏様でも何でもいいのですが。お天道様が見てるよ、と大人から言い聞かされた経験が響いているのかもしれません。掲出歌は、下句から獣の匂いがほのかに漂い、不安で不穏な空気を感じます。コロナウイルスがはびこっている現在の世界状況を思い浮…
関連リンク
- ・うたの泉(1433)柴犬の優しいつり目こんがりと トースト色の尾を振り立てて/清水あかね(しみず・あかね)(1966年~)
- ・うたの泉(1432)生(あ)るるとき死するときなにも持たぬゆゑ せめてこの世の荷をたのしまん/辻裕弘(つじ・ゆうこう)(1950年~)
- ・うたの泉(1431)つはぶきの黄色(くわうしょく)ぬばたまの夜にして 土に低くし湧きし花びら/森岡貞香(もりおか・さだか)(1916~2009年)
- ・うたの泉(1430)犬は犬のさみしさ負ふか冬雲の 擦れ違ひざまじつと見てをり/伝田幸子(でんだ・さちこ)(1941年~)
- ・うたの泉(1429)物語の続きのやうな妻の絵の 「雪の降る町」雪橇がゆく/窪田雅夫(くぼた・まさお)(1935年~)