震災伝承スペース・つなぐ館、11日閉館 展示品は新施設へ 石巻
東日本大震災の伝承活動に取り組む石巻市の公益社団法人「3・11みらいサポート」が同市中央2丁目で運営する震災伝承スペース「つなぐ館」が、11日閉館する。展示品は3月にオープンする新施設にバトンタッチされ、震災10年の記憶、教訓を広めていく。
同館は2014年3月に開館した。同団体の震災伝承プログラムや防災教育ワークショップ、津波伝承アプリのフィールドワークなどの拠点に活用されてきた。来場者は累計で約2万4千人。昨年はオンライン語り部事業の会場にもなった。
震災後の市街地模型や、津波で損壊したシージェッター海斗のモニュメント、震災報道を紹介するコーナーなどを設置。さまざまな角度から津波災害の教訓を伝えてきた。
展示品は、3月8日に同市門脇町4丁目に開館する震災伝承交流施設「MEET門脇」に引き継がれる。
スタッフの藤間千尋さんは「街中に拠点を置いたからこそ、多くの人や団体と連携して活動を展開できた」と振り返る。震災10年に向けて「南浜・門脇地区では、より多くの人を受け入れて教訓を広められるようになる。中央地区も含めて人を回遊させられるようなプランを模索していく」と決意を語った。