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水産業の人材マッチング事業 個人に対象を拡大 石巻市

 石巻市は、新型コロナウイルスの感染拡大で外国人技能実習生を受け入れできない市内の水産業者と、休業や時短勤務を強いられている求職者を橋渡しする事業を始めた。当初は飲食、宿泊業などとの企業間でマッチングを図ったが、利用が進まなかったため対象を個人に広げた。

 対象は感染拡大の影響で休業や時短勤務となった就労者や、求人の減少で仕事が見つかりにくくなっている求職者ら。漁業、水産加工業者を紹介し、パートやアルバイトとして働いてもらう。

 市は昨年5月、入国制限で技能実習生が来日できなくなった水産業の人手不足を解消するため、休業や時短営業が広がった業種の従業員を一時派遣する取り組みを始めたが、送り出し側の企業の参加が進まず、実績は2件にとどまっている。

 一方で、水産業での就労に興味を持つ個人からは紹介の依頼が相次いだため、対象を拡大。石巻公共職業安定所とも連携して事業を進める。

 市によると、入国制限の緩和で漁業では技能実習生の来日が一時再開しつつあったが、水産加工業はまだ受け入れできない企業が多いという。

 市水産課の担当者は「事業をきっかけに臨時的に働くことで、機械化が進んだ今の水産業の現場を知ってもらえる。慢性的な人手不足の解消にもつなげたい」と説明した。

 市は、事業に関する企業や個人からの相談窓口を市水産課に設置した。3月31日までで、時間は平日午前8時半から午後5時まで。連絡先は市水産課0225(95)1111内線3514、3513。

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