インターネットや会員制交流サイト(SNS)での誹謗(ひぼう)中傷に対応する関連法改正案が、今国会に提出される見通しだ。
菅義偉首相が施政方針演説で「発信者情報の開示命令などの裁判手続きを整備し、被害者の迅速な救済につなげる」と表明した。
被害者による発信者の特定が容易になるとみられるが、抜本的な解決策にならない。手続きが乱用され、表現の自由が萎縮しかねない懸念が拭えない。
ネットによる誹謗中傷、いじめなどの人権侵害は年々深刻化している。2019年、総務省が運営する団体に寄せられた被害相談は約5200件。10年に比べ、4倍近くに増えた。
昨年、女性芸能人がSNSで中傷された後、命を絶ったとみられる事件があり、社会問題になった。投稿者のうち名乗り出た1人が侮辱容疑で書類送検されたが、大半は投稿を削除するなどしていた。
投稿のほとんどは匿名だ。「誰が書き込んだか」を突き止めるのは簡単ではない。
従来の法的な制度では、被害を受けた人はまず、SNSなど当該サイトを運営するコンテンツ事業者に開示請求し、発信者がネット接続の際に使用したアクセス事業者を特定する。次にアクセス事業者に発信者情報の消去禁止や開示の請求をする。
多くは訴訟となり、被害者には時間的にも金銭的にも負担となる。損害賠償請求が加わる場合もある。
総務省は昨年12月にとりまとめられた有識者会議の議論を受け、発信者情報開示などについて、訴訟によらない新たな手続きを設ける関連法の改正案をまとめた。
被害対応への迅速化という点で法改正の意義は大きい。だが、企業や政治家などが自らに不都合な情報を発信した投稿者に対し、権利を乱用する事態も予想される。
同省は昨年9月、誹謗中傷に対応した政策パッケージを発表しており、発信者情報開示への取り組みはその一つ。ほかに「ユーザーの情報モラルなどの向上への啓発活動」「事業者の自主的な取り組みの支援」「相談対応に向けた体制整備」を掲げる。
ネット上の有害、悪質情報をどう減らすか。先日公表された日本世論調査会の調査では「公的機関による取り締まりの強化」を6割が求めた。
ただ、監視して都合の悪い投稿を削除したり、投稿者を罪に問おうとしたりする国家も存在する。
米国の連邦議会乱入事件を巡り、事業者がトランプ前大統領のSNSアカウントを停止するなどし議論を呼んだ。
被害対応は急務だが、規制強化も事業者の自主的対応も、表現の自由を制約する危険性がある。まずは「実名でも、その発言ができるか」を個々人が意識し、匿名の加害者にならない努力が必要だ。
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