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飲食店ら支援訴え コロナ長引けば3割廃業の危機 石巻の団体が調査、集計

事業者の窮状を訴える大森社長(前列中央)ら

 新型コロナウイルス感染拡大の影響が長引けば石巻市内で飲食店を中心に3割が廃業の危機にあることが地元飲食業などの有志で組織する団体が実施したアンケートで分かった。団体は9日、緊急会見を開き、事業者の窮迫(ひっぱく)する経営の現状や、行政による早急な財政支援を訴えた。

 アンケートは、市内の飲食店などで1月に組織した「コロナ禍における石巻市内事業者の救済を訴える会」が市内の飲食、小売り、サービスなど450事業者を対象に実施。104事業所から回答を得た。

 2020年の売り上げは前年比でサービス、飲食業が約4割、小売りが3割も減少した。

 複数回答を含む質問で、現在不安に感じていることでは「売り上げの減少」が9割に達し、「先行きが見えない」が8割、「顧客減少」「風評被害」が6割、「資金繰り」が5割と続く。

 コロナ禍が長引くことによる影響では「事業規模の縮小」が約5割と半数を占め、「廃業」は3割もあった。さらに1割が「業種転換」を検討するなど事業継続に強い危機感を示した。支援については給付金や減税措置、クーポン券発行などを求めている。

 石巻市役所で開いた会見で、大もり屋本店の大森信治郎社長は「コロナが収束に向かっても、市場回復には2、3年はかかる。売り上げが減少した事業所への財政支援、消費喚起を踏まえた対策が急務だ」と強調。1月に石巻商工会議所と関係団体が市に要望した支援策の実現を求めた。

 日本料理店・八幡家の阿部紀代子社長は「飲食店だけでなく、鮮魚店など仕入れ先も経営悪化の連鎖に直面している。非常に厳しく、カンフル剤が必要だ。コロナ禍でも割り増し商品券は一定の効果があり継続してほしい」と訴えた。

 アンケートを取りまとめるなどした街づくりまんぼうの苅谷智大課長は「感染症対策や販路開拓など手を尽くしたが、もはや自助努力だけでは限界に達している」と事業所の窮状に対して理解を求めた。

 同会によると、東日本大震災に加え、コロナ禍で借入金が二重三重となって資金繰りが困難になったり、来店客の激減により週末限定の営業を余儀なくされたりして、既に廃業した店もあるという。

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