法印神楽・和太鼓、後輩へ継承 雄勝小中で学習発表会
石巻市雄勝小・中学校(児童19人、生徒14人)で17日、生活科と総合的な学習の時間で学んだ成果の発表会があった。保護者が見守る中、児童・生徒が地区の伝統芸能である神楽や和太鼓を堂々と披露。卒業シーズンを前に、先輩から後輩へと地区の伝統・文化継承のバトンをつないだ。
小学3、4年生8人は、週1回ほどのペースで練習してきた雄勝法印神楽の演目「初矢」を披露した。華やかな装束を身にまとい、雄勝法印神楽保存会のメンバーが奏でる太鼓に合わせて元気よく舞った。
同校には5年生がいないため、新年度はこの2学年が中心となり、継承に取り組む。4年の大槻莉瑚さん(10)は「緊張したが楽しかった。細かい部分も気を付けて演舞していきたい」と意欲を燃やしていた。
中学生は、東日本大震災後に廃タイヤを活用して始めた「雄中和太鼓」を披露した。校訓である「たくましく生きよ」とプリントされたそろいのTシャツに、はちまき姿で登場。息を合わせて力強く太鼓を打ち鳴らし、気迫のこもった音と掛け声を響かせた。
3年佐藤おりざさん(15)は「太鼓を通して仲間と一つのものをつくり上げることを学べた。3年間は貴重な時間だった」と振り返った。
小学生が学年ごとに地区の特産品やコミュニティーの在り方などについて発表したほか、震災当時に雄勝中校長を務めた佐藤淳一さんの講話もあった。