漬物で全国展開 東松島長寿味噌、2社とコラボ マッチング事業きっかけ
東松島長寿味噌(みそ)(東松島市大塩)と東海漬物(愛知県豊橋市)が共同開発した漬物「おうち旅 仙台 南蛮味噌漬」が3月1日、全国で発売される。東日本大震災の被災企業と支援に前向きな大手企業を結ぶマッチング事業「結の場」(復興庁、県東部地方振興事務所主催)がきっかけで誕生した。
両社の橋渡し役を務め、商品パッケージを担った大日本印刷(東京都新宿区)を含む3社のコラボレーションは初めて。東松島長寿味噌は「全国への販路拡大や知名度アップにつながれば」と期待を寄せる。
新商品は、キュウリと青唐辛子を高砂長寿味噌で漬けた逸品。手軽に旅行気分が味わえる「おうち旅」シリーズの一つとして東海漬物が売り出す。
しょうゆ味の「きゅうりのキューちゃん」でおなじみの東海漬物は「みそと青唐辛子の特徴ある辛味や塩味を生かし、うま味の強い高砂長寿味噌を使うことでまとまりのある味に仕上げた」とPRする。
県卓越技能者(宮城の名工)でもある東松島長寿味噌の後藤秀敏取締役工場長も「みそとしょうゆは表裏一体。長寿味噌も味わえる絶妙な味を生み出した」と説明。商品開発に当たって試食を兼ねて試行錯誤を重ねただけに自信を見せる。
パッケージは大日本印刷がデザイン。網焼き肉の写真に加え「高砂長寿味噌使用」のラベルや説明も盛り込み、牛タンだけでなく焼き肉にも最適な漬物としてアピールする。
「結の場」は2019年10月に石巻グランドホテルで開催。石巻地方の11社と大手37社が参加した。
東松島長寿味噌は斎藤剣一社長(現顧問)、渡部修文取締役営業本部長、後藤取締役工場長が大日本印刷の担当者と懇談。東海漬物と取引がある大日本印刷の計らいで3社連携にこぎ着けた。
東松島長寿味噌の橋本孝一社長は「安全・安心はもとより、国内産の原材料にこだわった高砂長寿味噌は日本一と自負している。復興庁などの協力で全国で発売されることは非常にありがたい。今後もより良い商品開発に力を注ぎたい」と喜ぶ。
「仙台 南蛮味噌漬」は1袋80グラム。賞味期間は120日で標準小売価格は132円。全国のスーパーや生協などで売り出される。