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本通じ、世界に関心を 石巻専修大教授ら講話 東浜小

千葉さん(右)の話に聞き入る児童たち

 読書への興味と関心を高め、本を通じて外国の文化にも目を向けてもらおうと、石巻市東浜小(児童7人)で2月24日、全校児童参加の「読書活動」があった。児童たちは本を通じて、童話の世界や紛争、平和について思いを巡らせた。

 石巻専修大の照井孫久教授と、同大図書館職員千葉直美さんが講師を務めた。

 照井教授は、岩手県出身の宮沢賢治と、童話「よだかの星」を紹介。「賢治は幼い頃とても優秀で、周囲は『少し変な困ったやつだ』と思っていた。立派すぎたため、周囲からは変な人に見えたのだろう」と解説。「『よだかの星』は、周囲に理解されなかった賢治の気持ちを表しているのかもしれない」と話し、物語を読み聞かせた。

 千葉さんは、アフガニスタンで尽力した医師の中村哲さんが題材の「カカ・ムラド」と、史上最年少でノーベル平和賞を受賞したパキスタン人のマララ・ユスフザイさんの「マララの物語 私は学校で学びたい」をテーマに話した。

 中村さんが大切にしていた「一隅を照らす」、マララさんの「1人の子ども、1人の教師、1冊の本、1本のペンが世界を変える」という言葉を紹介し、中村さんの言葉は「世界のどこもが片隅。その小さなところから一生懸命努力して、みんなを幸せにしたり友人を大事にしたりすると、少しずつ希望の明かりがともってくる」と解説。マララさんの言葉は「『武器ではなく1冊の本をください』という思いを、みんなと分かち合いたかったのだと思う」と説明した。

 同校には、東日本大震災で犠牲になった外国語指導助手(ALT)のテイラー・アンダーソンさん=当時(24)=の「テイラー文庫」もある。千葉さんは「テイラー文庫を末永く愛してほしい」と呼び掛けた。

 4年阿部蘭さん(10)は「見たことがなかった本を読んでもらい、私もいろいろな本を読みたいと思った」、6年古内柚羽さん(12)は「アフガニスタンなどでは、日本のようなきれいな水がないことが分かった。これからは外国の本も読んでみたい」と語った。

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