東日本大震災10年  空から見た復興のかたち

夜のとばりが下りると、ビニールハウスに明かりがともる。近くをJR常磐線仙台発原ノ町行きの普通列車が光跡を残して、帰途に就く乗客たちを運んでいった。宮城県山元町と亘理町は東北有数のイチゴ産地。寒さが本格化するころ、日照不足を補うため電照栽培が始まる。クリスマスに向けて出荷のピークを迎えた「山元いちご農園」(山元町)の岩佐隆社長(65)は、東日本大震災の津波で自宅と田畑を失った。内陸へと移転しイチゴを実らせたのは震災からちょうど1年後。今では延べ3.2ヘクタールのハウスで約23万株を育てる。「移転先も2メートルほど浸水したが、農家同士でがれきを撤去し、ここまでこぎ着けた」と岩佐社長。常磐線も沿岸部で被災、内陸へ移設され全線開通したのは今年3月のことだ。自動モードのドローンカメラで撮影すると、暗闇で白い光を放つハウスに対し、列車は水色。どちらも困難を乗り越えたエネルギーの美しさを感じさせた。(写真部・庄子徳通、藤井かをり)
10/22

   
 復興が進み生まれた新たな風景。それは被災地の人々にどのように記憶されていくのだろう。未来に向かう、そのかたちを空から眺める。
 

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