市街地守る 堤防整備、ほぼ完了 石巻・北上川河口部
東日本大震災で被災し、整備が進められている石巻市中心部の北上川河口部の堤防が30日、一連でつながった。国土交通省北上川下流河川事務所は同日、右岸の住吉神社下流側で堤防の「締め切り作業」を実施し、堤防整備がほぼ完了。洪水や高潮から市街地を守る。
事業は北上川河口部の両岸計15キロ区間で、堤防高は7.2~4.5メートル。12年度に着工した。総事業費は約1100億円。
住吉神社下流側の住吉地区は、盛り土をして4.5メートルの堤防高を確保した。締め切り作業は長さ10メートル、幅2メートル、深さ30センチのスペースにトラックで土砂を投入した後、重機で固めた。
同事務所の佐藤伸吾所長は「地域で暮らす皆さんの安全安心が確保された。震災から10年。石巻の復興の礎となることを願う」と述べた。
今後、堤防の舗装や上流部ののり面を芝生にするなどの残工事を行い、新年度の事業完了を目指す。