石巻地方・退職校長、思いを語る(中) 青葉中、矢本一中

 石巻地方の小学校5校と中学校3校の校長が定年退職。長年にわたる教員生活を振り返り、学校づくりや教育に対する思い、今後の期待などを取材に応じた先生たちに聞いた。

 
◇青葉中・畠山政浩さん/地域と一体で学校運営

 二度勤務した思い出深い青葉中で38年の教員生活を終える。「青葉中で退職でき、幸せ者だ」と目尻を下げる。

 旧鳴瀬町(現東松島市)出身。東北学院大工学部を卒業し、千葉県沼南(しょうなん)町(現柏市)の中学校で教員生活をスタートした。7年を過ごし、宮城県の教員採用試験を受け直して帰郷。石巻地方を中心に、北は気仙沼市から南は山元町まで沿岸部の学校を回った。

 宮城に戻って初めて赴いたのが、開校初年度の青葉中だった。当時は1学年4~5学級あり「学校生活や行事が全てエネルギーにあふれていた」と振り返る。

 文化祭では3階建ての校舎を覆うほど大きな「ビックリアート」を全校生徒で制作したり、体育祭では学区内で「聖火リレー」を行ったりした。

 部活動の思い出も色濃い。鳴瀬二中では、男子バレーボール部を受け持った。2009年の新人大会で石巻地区や東部ブロック大会を制すと、県大会は8強入りを果たした。「地域の方たちが練習試合の相手を買って出てくれた。生徒が頑張り、地域や周囲の先生が支えてくれたおかげ」と感謝する。

 18年に校長として青葉中に戻った。地域と一体となって学校運営協議会や同窓会組織を立ち上げたことなどが特に印象深い。

 子どもたちが笑顔でいられる学校づくりを重視してきた。「人生は一度きり。自分の夢や希望に向かって努力し続けてほしい」と生徒にエールを送る。

 
◇矢本一中・安倍良博さん/大きな夢持ち挑戦して

 「初めて教員になったという点で、初任地の思い出は特に印象に残っている。若さ、勢いだけで仕事をしていた。生徒とは徹底的に付き合い、同じ時間を共有した」と懐かしむ。

 石巻市出身。東北学院大工学部卒。仙台市袋原中で教員生活をスタート。大郷中校長、東部教育事務所副参事・班長(管理主事)、北部教育事務所栗原地域事務所長などを務めた。

 モットーは(1)より厳しく、より温かく、より新しく(2)子どもたちにとって「魅力ある学校」を(3)教師は授業で勝負する(4)常に生徒と共にあれ-。

 教員生活37年。集大成の矢本一中で感動と感激の時を迎えた。

 それは3月のある日のことだった。卒業する3年生が集会を開き、校長への手書きの卒業証書とメッセージ集を贈った。退場の際には男子生徒から胴上げされた。

 「人の立場を尊重したり、心をおもんぱかれたりする生徒が目の前にいる現実に胸を打たれ、子どもたちに大切なことを教わったようにも思う。子どもたちに出会えたことに感謝するとともに、教員を続けてきて良かったなと改めて実感した」と強調する。

 生徒たちには「一度の人生。大きな夢を持ち、チャレンジしてほしい。堂々と人生を歩んでほしい」とエールを送る。

 後進の教員には「授業を充実させることが学校として最も重要なポイント。授業で勝負する教師、授業で勝負する学校を目指してほしい」と期待する。

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