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石巻市長選 3テーマで公開討論・詳報

 任期満了に伴う石巻市長選(18日告示、25日投開票)の立候補予定者による公開討論会が10日、オンライン形式で開かれた。市議阿部和芳氏(61)、元衆院議員の医師勝沼栄明氏(46)、元県議斎藤正美氏(66)=自民推薦=、元市包括ケアセンター所長の医師長純一氏(54)、農業手伝い豊沢幸四郎氏(59)の5氏が出席。「人口減少緩和の鍵である若者世代・女性に向けて」「暮らしやすいまちの実現に向けて」「誰もが稼げるまちの実現に向けて」の3テーマごとの各氏の主張を紹介する。

【人口減少緩和の鍵である若者世代・女性に向けて】

■阿部 和芳氏
企業誘致を促進病児保育整える
 若者、女性が勤務したい所と雇用のミスマッチ解消のため、企業誘致や起業促進で市が支援する。待機児童をなくして病中、病後保育ができる環境を整える。賃金を上げる手だても構築する。夢と希望があり、住んで良かったと思える石巻を発信する。

■勝沼 栄明氏
子ども教育充実医療費無償化へ
 子どもの教育を充実させる。キャリア教育は小中高まで継続して行う。デジタル化にしっかり対応できる人材を育てたい。医療費は高校生まで無償化し、所得制限を撤廃する。保育制度を充実させ、若者、女性が地域に残って暮らせる環境をつくっていく。

■斎藤 正美氏
保育所機能強化新婚生活を支援
 延長、夜間保育、一時預かりなど保育所の機能強化を図る。男性の育児参加を啓発し、小児科医院の誘致で安心して子育てできる体制をつくる。学力向上プランを策定し、医療費助成を高校生まで拡大。新婚生活支援事業を推進し、1組に最大60万円を支援する。

■長  純一氏
包括ケアを推進女性の視点重視
 女性の就労・出産の大変さを目の当たりにしてきた。就労、子育て、介護などライフサイクルを総合的に捉えて支援できるのが、地域包括ケアだ。役所に女性管理職を増やし女性の視点を入れる。女性目線を大事にする社会が優しい社会、今後の日本の在り方だ。

■豊沢幸四郎氏
子育て費用補償若者賃金アップ
 18歳までの子育て費用を全額補償する。若者世代の賃金が低い。最低賃金を1250円に上げる。市内全域を高速ネットワーク化し、テレワークやサテライトオフィスで市街地だけでなく半島部や離島でも仕事ができる環境にし、企業誘致や起業家育成を図る。

【暮らしやすいまちの実現に向けて】

■阿部 和芳氏
コロナ対策強化健康都市宣言も
 誰一人取り残さない健康なまちを実現する。子育てが十分できる環境をつくり、ICT(情報通信技術)教育、高齢者のリカレント教育を推進する。健康推進のため、新型コロナウイルス対策を強化する。健康寿命と寿命をイコールにする健康都市宣言を行う。

■勝沼 栄明氏
住民交流活性化市立図書館充実
 第一にコミュニティーの活性化だ。公助を補う人材を育成したい。ドッグランなど市民が集う場を整える。市立図書館は老朽化する。カフェや自習室も併設された施設を整備したい。広域行政を強化する。周辺自治体と協力し、人、物の交流を進める。

■斎藤 正美氏
原発避難道整備高齢者の足確保
 医療、介護が一体的に機能する地域包括ケアを推進する。女川原発は避難道路の早急な整備を国、県に働き掛ける。高齢者が気軽に通院、買い物ができる交通手段確保を進める。多彩な祭りや文化、スポーツを支援して発信し、交流人口増加につなげる。

■長  純一氏
医療施設を充実原発稼働に異議
 市立病院に小児科を開設する。私の友人に呼び掛ければ、全国から医者が集まる。牡鹿、雄勝、北上各地区の市の医療機関を再生させ、地域を守る。原発の再稼働は非常に問題がある。避難計画の抜本的な見直しがない限り、再稼働は認められない。

■豊沢幸四郎氏
原発の事故心配夜間も役所開設
 断固、脱原発だ。もし事故が起きたら暮らしやすいどころか暮らせない街になる。行政サービスも全面的に変え、土日や夜間も開く。社会で頑張っている大人が学校で授業をする。公園や公共施設の稼働率を80%以上に上げ、コミュニティーを復活させる。

【誰もが稼げるまちの実現に向けて】

■阿部 和芳氏
ソフト面を充実人集める努力も
 石巻の産業構造は1~3次とバランスが良く、資源も豊富。1次産業強化へ、市役所に水産や農業の専門官を配置してソフト面の充実を図る。中心市街地活性化のため、軽トラ市を実施し一体感も醸成する。発進力も強化し、人が集まり稼げるまちをつくる。

■勝沼 栄明氏
1次産業を強化ベンチャー育成
 核家族と共働きが増えている。産業部から農林水産業などを独立させ1次産業の強化を図る。ローカルベンチャーを育てる。1度起業に失敗しても再び補助し、スタートアップでは企業を紹介する。国道108号の高規格化、陸路を整備し流通の拠点にする。

■斎藤 正美氏
産業団地誘致し雇用拡大目指す
 若者には国の正社員化促進事業奨励金のかさ上げ支援、高齢者には高齢者の仕事掘り起こし会議を新たに設置し、就労対策を実施する。直接的な雇用拡大を目指し、三陸沿岸道桃生豊里インターチェンジ周辺に企業誘致による産業団地の形成を図る。

■長  純一氏
ICTを活用し全国に販路拡大
 1次産業は経済効率だけでなく、環境保全など付加価値を認めることが必要だ。ICTの活用を進め全国に販路拡大を図る。医療や介護を充実させること自体が稼げるまちにつながる。コミュニティービジネスは地方が生き残るすべになる。

■豊沢幸四郎氏
町おこし団体とタッグ組み推進
 ビジネスチャンスはたくさん転がっている。行政を総合商社と考え、自ら稼ぐ。町おこし団体とタッグを組む。鹿は多いが鹿肉が有名になってない。ブランド化が重要。行政が前に出て、営業していく。都内にサテライトショップを作るなど知恵をしぼる。

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