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被災者向け住宅改修を宿泊施設に ペット可、長期滞在提案 石巻・北上

宿泊施設の外観。海抜50メートルの高台にあり全棟から海を眺めることができる
ハイグレードタイプ2階のベッドルーム。仕事がはかどるよう窓辺にデスクを置いた

 東日本大震災の被災者向け住宅を改修した宿泊施設「追波湾テラス~考える葦(ヨシ)~」が12日、石巻市北上町白浜の高台にプレオープンした。11棟の木造一戸建てで構成され、追波湾の景観やペットとの宿泊を楽しめるのが特長。被災した住民の生活再建を支えた住宅が、多くの人を迎え、地区の魅力を体感してもらう場として生まれ変わる。

 活用したのは、熊谷産業(同市北上町)と工学院大(東京)が協力し、「民間の復興住宅」として2011年度に整備した木造住宅。今年2月までに入居していた全世帯が退去し当初の役割を終えたことから、熊谷産業が改修して宿泊施設として運営する。

 
 最大4人収容の2階建て7棟、3人収容の平屋3棟で、1棟はフロント棟として活用する。全棟、犬や猫などのペットと宿泊可能。新型コロナウイルスの感染拡大で注目される、リゾート地で休暇を取りながら働く「ワーケーション」での長期滞在も提案する。

 
 ハイグレードの2階建てタイプは、海を望むようにベッドを配置。ソファやハンモック、作業デスクを置き、リラックスしながら仕事にも打ち込めるよう工夫した。床を防水加工し玄関前に足洗い場を設けるなど、ペット連れに配慮した。

 
 食事は朝食のみ提供する。東京や京都の日本料理店で腕を磨いた和食料理人が監修し、シカ肉やカキ、シジミなど、石巻産食材を使ったメニューを用意する。夕食は各棟のキッチンで調理したり、屋外でバーベキューを楽しんでもらったりする。

 
 本格オープンは大型連休ごろの予定。管理・運営業務を担う北上地区の地域づくり会社「芽ぐみ」の鷹野秀征代表(55)は「海や日の出、星空など、景色が施設の一番の魅力。外からの利用者はもちろん、地元の人にも北上の素晴らしさを再認識し誇りに感じてもらえる場所にしていきたい」と話した。

 
 利用料金(朝食込み)は2人で税込み2万6000円~4万6000円。1人追加に付き5000円プラスになる。ペットは無料。

 
 最新情報は「追波湾テラス」のTwitter(ツイッター)など会員制交流サイト(SNS)で発信している。

Facebookページ「追波湾テラス〜考える葦〜」

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