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しょくば拝見>自立支援 就労支援カレッジ ぴゅあ・さぽーと(石巻市開成)

「障害者の可能性を信じてほしい」と語る木村さん(前列左から3人目)

<必要な知識、技能を訓練>

 障害者や難病の人の社会自立を後押しし、就労に必要な知識や技能を高める訓練の場として開所し3年、利用者の5人が就職を果たしている。中には20年間自宅に引きこもっていた精神障害1級の人など重度障害者もいると言うから驚きだ。代表理事の木村恵美子さん(49)は、「『働く、かっこいい大人になりたい』などと本人が希望を持ち、社会自立を諦めなかったから実現した。障害者の可能性を信じてほしい」と話す。

 訓練内容は、マナー講座や小物の製作実習のほか、一定のスキルが身に付くと職員が同行して企業で働く施設外就労もある。全員をこの水準まで「底上げ」し、働く際には一般の人以上の生産性を目指し励ます。また、指示を聞かない、けがにつながるような軽はずみな行動は、「こてんぱに怒る」と木村さん。世の中は障害者を長い目で見守ってくれる人ばかりではないと教えるためだ。

 「社会は障害者に不平等」との疑問を持ち、福祉に関わってきた。別の施設で働いていた当時、上司に言われたのが「障害者はきちんと指導すれば仕事はできるし、働く権利だって平等にある。それを教えるのがあなたの仕事」との言葉。その施設は閉業したが、言葉に背中を押され、思いをつないだ。

 開所場所はIT企業の一角で、別の事業者からは製作実習で使う材料の提供を受けるなど厚意が集まる。「地域は福祉への理解が深い。恩返しするためにも福祉就労の道を開きたい」

■概要
 2017年11月開所。対象は石巻市・女川町・東松島市の精神・身体・発達、知的障害、難病の18~65歳未満の人。現在10人が利用中、職員は5人。一般社団法人地域障害者雇用協会Nさぽーと・みやぎが運営。石巻市開成1の20メディアテック内。営業は午前9時~午後5時。日、祝日、年末年始は休み。土曜は不定休。0225(98)7180。

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