東松島市議会、開会 渥美市長「持続・発展のまちつくる」
東松島市議会6月定例会が10日開会した。7億3800万円を追加し、総額215億1540万円とする本年度一般会計補正予算案など25議案が提出され、人事案を除く9議案を原案通り可決した。2期目最初の定例会となった渥美巌市長は所信表明で、市総合計画後期基本計画の具現化を掲げ「住み続けられ、発展するまちを実現する」と述べた。会期は21日まで12日間。
補正予算は、新たな産業用地の適地調査委託費に1000万円、2025年度完成を目指して建て替える大曲小校舎の設計業務委託費に2988万円を充てた。県内出身者らの転入を促すため転居費を助成する「好きです東松島おかえり事業」など定住促進施策に1333万円を計上した。
築48年が経過した市営下浦住宅2号棟の大規模改修工事の請負契約締結では、制限付き一般競争入札で落札した久我建設(石巻市)と2億5043万円で契約する。
一般質問は14~16日の3日間で14人が登壇。18日は3会派の代表質問を行う。
渥美市長・所信表明
東松島市の渥美巌市長は10日開会した市議会6月定例会で所信表明し、将来像に掲げる「住み続けられ持続・発展する東松島市」の実現に向け、SDGsを基調に(1)産業振興と雇用確保(2)子育てと健康(3)教育と文化・スポーツ(4)防災と環境整備(5)持続可能な行財政-の五つの方向性を示した。
要旨は次の通り。
農林水産業の活性化に向け「令和の果樹の花里づくり」事業に農業法人と取り組む。企業誘致による働く場の確保に向け、新たな産業用地の適地調査を行う。
大曲小放課後児童クラブの新築整備など、子育て環境の充実を図る。高齢者の見守りなどを通して心のケアに努める。教職員の指導力を高め、教育現場で情報通信技術を活用し、家庭学習を推進する。市民がスポーツに親しむ機会を設ける。
若い世代を中心に人口を維持するため市街化区域の拡大を検討する。消防団員の確保など防災体制を強化し、JR矢本駅の南北自由通路の早期整備を目指す。
これらを実現するため、新型コロナウイルス感染対策として、10月までのワクチン接種の完了や経済対策に全力を尽くす。国、県とのパイプを生かして多様な取り組みを果敢に進める。