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しょくば拝見>障害者就労支援 NPO法人きらら女川(女川町鷲神浜)

製品を一つ一つ丁寧に手作りし販売するきらら女川の利用者と職員

<良い商品作り、日々努力>

 障害者就労支援施設「きらら女川」を運営し、菓子やパンなどの製造を通して障害者や難病を持つ人の就労を後押しする。

 女川町と石巻、東松島両市の18~65歳の23人が働く。国産の小麦とおからを使ったおからかりんとうや、女川産のサンマを生地に練り込んだ「さんまパン」などを手作りし販売する。

 「義理で買ってもらっても良い製品でなければリピーターになってもらえない。他の企業に並ぶ気持ちで作っている」と管理者の沼田利恵さん(51)。求められる商品を作り、売り上げを増やすことで利用者に支払う工賃を上げたいと考える。

 町内のテナント型商店街「シーパルピア女川」には、商品を販売し麺類や定食を提供する店を構える。新型コロナウイルスの影響で機会は減っているが、企業やイベントでの販売会にも参加する。沼田さんは「目の前で作った物が売れると、仕事への責任感につながる」と語る。

 設立は東日本大震災の前年。海の近くにあった事業所は津波で流失し、自宅に帰るなどした利用者2人が犠牲になった。2013年に事業所を再建。全国から受けた支援に感謝し、シーパルピア女川の店舗は年中無休で営業する。

 「みんなで営業会議」を月に1回開き、より良い商品作りに必要なことや、働く意義などを話し合う。沼田さんは「安心感があり頑張ろうと思える空間づくりを心掛けている。安定した仕事を提供し、利用者の自信と自立につなげたい」と話す。

■法人概要
 2010年8月に設立し、12月に事業所を開設。震災で被災し、13年に事業所を移転再建した。スタッフは8人。作業時間は午前9時~午後3時。JR女川駅前のシーパルピア女川に入る店舗は15年にオープンした。営業時間は平日が午前10時~午後3時、土日祝日は午前10時~午後5時。事業所は女川町鷲神浜鷲神144の7。0225(98)8062。

特定非営利活動法人きらら女川

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