復興功績者再調査へ 市長、表彰の意向 東松島市議会一般質問
東松島市議会6月定例会は15日、本会議を開き、一般質問を続けた。渥美巌市長は、東日本大震災から10年の節目を迎え、地域や被災者支援に尽力しながら、功績が評価されてこなかった人々を掘り起こし、表彰する意向を明らかにした。
津波を想定して22年前から野蒜地区の岩山に私設避難所「佐藤山」を整備してきた佐藤善文さん(87)について質問があった。佐藤山には震災時、住民70人超が避難して津波の難を逃れた。渥美市長は「敬意に値する」と評価した。
佐藤さんは2012年に公益財団法人社会貢献支援財団から表彰され、国内外で報道されてきた。市が関与してこなかった理由について「市の表彰は地域からの推薦に基づいて行ってきたが、取りこぼしがあった。表彰する価値は十分ある」と説明。「他にも功績がありながら評価されていない人がいないか再調査する」と述べた。
佐藤さんが市教委に寄贈した佐藤山を題材にした絵本200冊を市内の小中学校や幼稚園で防災学習に役立てる。佐藤山の避難所としての指定は、佐藤さんの意向や所有権などを調査し、検討する方針。
石森晃寿、手代木せつ子、千葉修一、阿部としゑ、井出方明の5氏が質問した。