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カヌーで津軽海峡横断、14時間 石巻の女性ツアーガイド中野さん

目前に北海道知内町を臨む中野さん(中央奥)ら=9日
津軽海峡84キロを渡り喜ぶ中野さん=10日

 石巻市の牡鹿半島を拠点に自然体験ガイドをする「なかのカヤック」(同市十八成浜山下)代表の中野可菜さん(34)は10日、手こぎで進むシーカヤックで青森県から北海道までの津軽海峡84キロの横断に成功した。ガイド仲間の呼び掛けで参加し、方位磁石と地図を頼りに2日間、14時間をかけて渡り切った。

 仲間3人と挑んだ中野さんは9日午前4時に青森県外ケ浜町の義経海浜公園を出発。西からの強い風や波にあおられ、予定していた進路からやや外れたが、午前11時半に中継点の北海道知内町に到着した。

 翌10日は好天に恵まれ、午前6時に出発して函館市を目指して陸地に沿って進み、昼すぎに全員無事に到着した。

 1時間こいで10分程度の休憩を挟むが、海上のため休憩中も同じ姿勢でいるしかない。遭遇したマグロやイルカの群れに励まされながら技術と気力で乗り切った。「疲労困憊(こんぱい)だが達成感でいっぱい」と話す。

 中野さんは2013年に東日本大震災のボランティア活動のため神奈川県から移住した。半年間の予定だったが、牡鹿半島に住む人々のたくましさにひかれ「共に地域の復興を目指したい」と定住を決意。かねての夢だったツアーガイドを19年に開業した。

 「震災以降、海にマイナスのイメージを持っていた人が徐々に変わり、海に出て楽しもうとしていると感じる」といい、今回の挑戦を「お客さまに提供できるプログラムに生かすなどして楽しさを伝え、自然環境保全にも関心を持ってもらいたい」と話した。

牡鹿半島ガイド なかのカヤック

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