閉じる

国勢調査速報値 石巻地方、人口7261人減 女川町は98人増加

震災後に建てられた新しい住宅が建ち並ぶ女川町内

 総務省は25日、2020年国勢調査の速報値を公表した。20年10月1日時点の石巻地方の人口は、石巻、東松島、女川3市町で計18万5790で、15年と比べ3.7%(7261人)減った。市町別では石巻市が4・7%、東松島市も1・0%減少。前回(15年)調査時、減少率が37%と県内最大だった女川町は1.5%増と、増加に転じた。

 速報値によると、石巻市の人口は14万237で、15年比6977人減。市は15年12月に策定した人口ビジョンで、20年の人口を約14万3000に設定していたが、速報値は下回った。人口減の抑制に向け出生率向上や転入者増の施策を打ち出すが、市復興政策部は「結果がまだ出ていない」と捉える。

 就職などで地元を離れる若年層が多いことが転出超過の要因で「新たな企業を呼び込むのはもちろん、市内の企業に目を向けてもらう取り組みも必要だ」と現状を分析する。

 東松島市は3万9121で、382人減。渥美巌市長は「仙台市から離れた市町村の多くが大幅に人口が減少する中で健闘している。子育て支援や働く場の確保、全寮制私立高の誘致などの成果だろう」と受け止める。「引き続き人口を減らさないための施策を強力に打ち続ける」と語る。

 増加に転じた女川町は6432で、98人増えた。町の担当者は増加の要因について、東日本大震災で被災した町民の住宅再建が進んだ点を挙げ「自立再建の住宅や災害公営住宅が整備され、町外で暮らしていた町民が戻ったためではないか」と推測する。

 家族向け社宅や、水産加工会社などで働く外国人労働者が増えたことも要因の一つとし「人口の増加は喜ばしい。震災からの復旧を実感する」と話した。

 県全体の人口は230万3487で、15年より3万412人(1.3%)減少した。

関連タグ

最新写真特集

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告、休刊日などについては、こちらのサイトをご覧ください

ライブカメラ