しょくば拝見>砕石・産廃処理業 丸興産業(石巻市鹿又)
<環境保全、社会貢献に力>
石巻地方や登米市、涌谷町などを商圏に砕石の販売や産業廃棄物の中間処理などを扱う。石巻市鹿又の砕石場の面積は東京ドーム8個分に相当する38.5ヘクタール。砕石事業は山の原石を掘削し砕いて砕石にし、土木工事を主とする会社に販売する。
主力となりつつある産廃の中間処理は20年前から手掛ける。建設工事で出るコンクリートガラなどを受け入れ、砕いて自社の原石を加えて独自の再生砕石(RC-40)を作り、リサイクル商品として現場で使う。再生砕石は県のグリーン製品に認定されている。
小野寺靖社長(62)は「環境保全、リサイクルの仕事はSDGs(持続可能な開発目標)にもつながる」と強調する。
経営理念は「世のため、人のために生きて決して恩義に着せない事」。社会貢献に注力し、砕石場付近で見つかった無縁墓を供養する「無縁塚」を建立したり、コロナ禍で奮闘する石巻赤十字病院に車いす3台を寄贈したりしている。
事業目的の一つに「全従業員の物心両面にわたる豊かさを追求する」とあり、社員一人一人を大事にする社風が根付く。ボーナスは年3回支給する。意識調査では「全員が入社して良かった」と回答している。
「来年で創業50年。時代の流れを的確につかんで対応し、地域にとってより必要度の高い企業を目指す」と小野寺社長。次の事業展開として、建設工事に伴って発生する残土の再生利用に取り組む方針だ。
■会社概要
1972年7月創業。資本金は3000万円。従業員はパートを含め23人。東日本大震災後は自衛隊などの要請で土砂や砂利の搬出に24時間態勢で当たった。社訓は「逃げるな、ごまかすな、諦めるな」。運輸、建設業も営み、土木工事、産業廃棄物の収集運搬も行う。石巻市鹿又欠山51。0225(74)2201。