旧気仙沼向洋高を視察、津波の威力知る<311次世代塾>

 東日本大震災の伝承と防災啓発の担い手育成を目指して河北新報社などが運営する通年講座「311『伝える/備える』次世代塾」第5期は10日、第3、4回講座を行った。大学生80人が気仙沼市の東日本大震災遺構・伝承館を見学した後、同市本吉町の元消防士佐藤誠悦さん(69)の震災体験を聞いた。

 新型コロナウイルスの影響で現地視察は2年ぶり。参加人数をバスの定員の半分に絞って実施した。

 一行は伝承館のホールで、気仙沼市中心市街地に流れ込む津波や津波火災の映像を視聴。震災遺構の旧気仙沼向洋高を回り、校舎4階の壊れた壁や3階に残された車を見て、地域を襲った津波の高さと威力を学んだ。

 佐藤さんの講話もホールで行った。佐藤さんは震災発生直後、大規模な津波火災が起きた同市鹿折地区で消火作業を指揮した。延焼を食い止めた翌朝、妻厚子さん=当時(58)=が行方不明と知ったという。

 消防士として救助、捜索活動を行う中、厚子さんの遺体が小泉海岸で見つかった。大切な人を助けられなかった悲しみと自責の念を振り返り、「皆さんにこのような思いをしてほしくない。自分の命を守り、命を守る大切さを伝えてほしい」と訴えた。

気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館で、津波で建物3階まで運ばれた車を見学する受講生=10日、気仙沼市
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