亡き僧侶の写真集を出版 石巻出身カメラマン「人生の師だった」
石巻市牡鹿地区出身のスポーツカメラマン大沢泰紀(やすとし)さん(73)=茨城県鉾田市=が、昨年7月19日に82歳で死去した同市鮎川浜の真言宗智山派・観音寺住職、川村成美さんの写真集「英傑の軌跡」を自費出版した。
川村さんは、約40年前に亡くなった大沢さんの兄=当時(42)=の大親友。大沢さんは兄の死後、川村さんを兄のように慕い、心を開いて語り、相談事もできる大切な存在となった。
父親の愛情を知らずに成長した大沢さんにとって「信頼できる父親のような存在でもあり、生き方を学んだ」という。仕事でつらい時も励まされ、前を向き強く生きていく力となった。
大沢さんは「心の支えで人生の師だった川村さんに心を込めて恩返しがしたい」と思い立ち、写真集を刊行することを決めた。
A4判で、カラー写真をメインに135ページ。東日本大震災の三回忌や七回忌法要、慈愛に満ちた表情で説法する場面などを切り取った。120部制作した。
大沢さんは「感謝の言葉しかない。川村さんからいただいた『逆縁の菩薩(ぼさつ)』という言葉を心に刻んで毎日を生きていきたい」と話した。
郷土愛が強い大沢さんは年間30回ほど古里を訪れ、さまざまな形で支援活動を続けている。写真集は非売品で希望者に配布している。連絡先は大沢さん0291(39)5406。