味に太鼓判 宮水高生、育てたホヤで炊き込みご飯
宮城水産高(生徒307人)で21日、生徒自らが育ててきたホヤを使った炊き込みご飯作りに挑戦する授業があった。
ホヤは牡鹿半島にある石巻市寄磯浜で、地元の漁業者の協力で育ててきた。生物環境類型3年でホヤを担当する4人が水揚げした。水揚げされたホヤは5年もので、先輩から引き継ぎ成長を見守ってきた。
市場に出荷されるのは、かつては3年ものが主流だったが、最近は大ぶりなものが好まれ、4年ものが多くなっているという。今回はサイズ、味的にもピークと言える5年ものに挑戦。19日に約200キロを水揚げし、同類型の2年生21人が33キロのむき身にした。
21日は同類型3年25人が、調理師でもある佐藤和孝教諭の指導で炊き込みご飯作りをした。ホヤを切り身にし、ホヤとカツオと昆布のだし汁にしょうゆを加え、炊き上がるにつれ蒸し上がったホヤから磯の香りが漂い、おいしい出来上がりを想像させた。
薬味としてネギとショウガ、シソを添え、全員で試食。「おいしい」「ホヤが苦手な人で食べられるのでは」と好評だった。栽培にも携わった阿部優斗さん(18)は「食欲を刺激する香りがいい。大人から子どもまでおいしく食べられると思う」と満足げだった。
指導した鈴木秀一主幹教諭は「自ら生産し、その旬の味を確かめる。地元の水産業を考える土台にしたい」と、今後も体験型学習に力を入れる考えだ。