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古里で演奏会 石巻高吹奏楽部OB、航空中央音楽隊で活躍

ホルン奏者の毛塚さん(左)とサクソフォン奏者の志田さん
高い演奏力と豊かな表現力で聴衆を魅了した航空中央音楽隊

 全国を舞台に活動する航空自衛隊航空中央音楽隊(東京・立川市)で2人の石巻地方出身者が活躍している。ホルンの毛塚信司さん(58)=石巻市日和が丘出身=と、サクソフォンの志田陽紀(はるき)さん(39)=東松島市赤井出身=。石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)大ホールであった演奏会にも出演し、東日本大震災からの復興を歩む古里に音楽でエールを送った。

 演奏会は18日に開かれた。毛塚さんは石巻中、石巻高の吹奏楽部でホルンを担当し、卒業後に入隊。中央音楽隊と中部航空音楽隊(静岡県)で計40年間演奏する大ベテランだ。「復興を遠くから見守るしかできないが、新型コロナウイルス禍で自粛が続く中、ようやく地元の方に演奏を届けられてうれしい」と語った。

 志田さんは矢本二中、石巻高の吹奏楽部でサクソフォンを担当し、昭和音大を卒業。北部航空音楽隊(三沢市)に入隊後、中央音楽隊に移り、計13年、各地を飛び回る。「所属する音楽隊として初めて古里の舞台に立ち、同級生やお世話になった方に聴いてもらえて幸せ」と笑顔を見せた。

 今年4月に開館した市複合文化施設について2人は「全ての音が客席にクリアに届いて演奏しやすい」「素晴らしいホール」とうなずき合った。

 この日は、ジャズ風舞曲「スクーティン・オン・ハードロック」や、医療従事者への感謝を込めた「医師たちの行進曲」、女性ボーカルが澄んだ歌声で魅了した「ふるさと」など計11曲を披露。「聖者の行進」などをメドレーにした「サッチモ!」では大きな手拍子が沸き、熱気に包まれた。

 音楽隊は今年2月、創設60周年を迎えた。防衛省の式典や全国での演奏会で年間約100回演奏する。石巻での演奏会は当初、震災から10年の今年3月に予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で延期された。

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