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「石巻くじら振興協」発足 捕鯨産業の継続、鯨食文化を普及推進

全国鯨フォーラム開催に向けて機運を高めた設立総会

 捕鯨基地がある石巻市鮎川地区を中心に捕鯨産業の継続や鯨食文化の普及を図る官民組織「石巻くじら振興協議会」が11日、発足した。捕鯨に関わる全国の自治体や団体が集まり、11月に市内で開催する「全国鯨フォーラム」(石巻市共催)に向けて連携を強める。

 協議会は市や県漁協、石巻商工会議所、市牡鹿稲井商工会、一般社団法人石巻観光協会など19組織で構成する。

 鯨フォーラムは「捕鯨を守る全国自治体連絡協議会」に参加する捕鯨基地などで毎年開かれている。市内で開催されるのは2007年の第1回以来、14年ぶり。

 今回は11月17日に市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)でシンポジウムを実施。同18日には鮎川地区のおしかホエールランドや捕鯨会社などを視察する。市民向けイベントもあり、東日本大震災からの復興と捕鯨の歴史を紹介する企画展や飲食店でのフェア、記念頒布会などを企画する。

 協議会は準備部会をつくり、開催に向けて詳細を詰めていく。市が主催してきた鯨肉頒布会の事業も引き継ぐ。

 設立総会が市役所であり、会長には一般社団法人鮎川まちづくり協会の斎藤富嗣代表理事を選任した。斎藤会長は「フォーラムは貴重な機会。食文化だけでなく、捕鯨の歴史も伝えていきたい」と語った。

 鮎川地区はかつて国内屈指の捕鯨基地として栄えた。商業捕鯨は2019年に再開したが、禁止期間で鯨食離れが進んでおり、産業維持には鯨食文化を普及させ、需要を回復させる必要がある。

 名誉会長に就いた斎藤正美石巻市長は「これからが勝負。捕鯨産業を維持し、持続可能にしていきたい」と述べた。

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