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緊急事態宣言 石巻地方の公共施設、休館や利用制限

緊急事態宣言中、休館する「みやぎ東日本大震災津波伝承館」

 新型コロナウイルスの感染急拡大に伴う宮城県への緊急事態宣言が27日、発令された。県は石巻地方の県有施設などについて同日までに休館を決めた。

 石巻市渡波の県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)は27日から宣言期間の9月12日まで臨時休館する。

 県は、老朽化が著しい木造の復元船「サン・ファン・バウティスタ号」の解体工事に9月7日に着手する予定。同6日まで予定していた館内からのサン・ファン号の観覧は臨時休館に伴い、26日で終了した。

 解体工事の進み具合などにもよるが、屋外からサン・ファン号の勇姿をいつまで見ることができるかは分からないという。

 同館で9月1日から11月29日まで予定していた企画展「牡鹿半島・海と浜のトリビア10」は延期となった。新たな開催期間は宣言の終了時点で判断する。同館を運営する公益社団法人慶長遣欧使節船協会ホームページを通じて広報する。

 石巻市の石巻南浜津波復興祈念公園内に東日本大震災の記憶と教訓を発信する拠点施設として6月に開館した「みやぎ東日本大震災津波伝承館」は、28日から9月12日まで休館する。当面、団体予約は中止する。

 伝承館は国が建設し、県が展示物を管理運営する。県内の被災状況や津波の歴史をパネルで解説。避難の大切さを記録映像で呼び掛けるシアターなどを備えている。

 東松島市にある矢本海浜緑地公園、海浜緑地パークゴルフ場は使用されているが、緑地公園のバーベキュー施設は宣言期間中の利用を休止した。

<石巻市、新規予約を停止>

 石巻市は26日、新型コロナウイルスの対策本部会議を開いた。政府が緊急事態宣言対象地域に宮城県を追加したことを受け、市の公共施設の新規予約を宣言期間の27日から9月12日まで停止することを決めた。

 既に予約済みの場合も自粛を呼び掛けるが、感染防止策を徹底した上での利用は認める。午後8時(イベント開催時は午後9時)以降の利用や会食の実施は自粛を求める。

 斎藤正美市長は26日、市民へのメッセージを発表した。感染拡大状況の指標となる、市内の直近1週間(8月17~23日)の人口10万人当たりの新規陽性者数は78.4で、最も深刻なステージ4の目安の25人を大きく上回ることを報告。

 「かつてない脅威の中で、一日も早く感染拡大を食い止めなければならない」と強調し、「年齢にかかわりなく、ワクチンをできるだけ多くの市民に接種してもらうことも感染拡大の収束に重要だ」と呼び掛けた。

<女川町も利用制限>

 女川町は27日、新型コロナウイルスの対策本部会議で今後の方針を確認した。

 9月12日まで町の公共施設の利用を制限する。開館時間はまん延防止等重点措置の適用後から継続し、総合体育館と勤労青少年センター、生涯学習センター、まちなか交流館は午後8時まで。期間中は団体の新規予約と利用はできない。

 まちなか交流館は町民以外の個人利用も不可。音楽スタジオは町民のみ1人での利用は可能(期間未定)。子育て支援センターも町民のみ1時間程度利用できる。

 町は宣言期間中、防災行政無線で午後8時以降の不要不急の外出自粛などを呼び掛ける。

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