食を通し未来探る 石巻でRAFシンポジウム
食を通して持続可能な未来を考えるシンポジウム「食にまつわる利他と流動性」が28日、石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)で開かれた。開催中の「リボーンアート・フェスティバル(RAF)2021-22」夏会期の関連イベントで、オンラインでも中継された。
RAF実行委員長で音楽家の小林武史さんはトークセッションで、テーマの「利他と流動性」について「ネガティブと思われる所に目を向けたら次のポジティブなことが生まれた」と語り、「食べることは豊かなこと、楽しいこと、いろんなことにつながっている」と話した。
「石巻から」「市民活動から」「日々の暮らしから」との切り口で「世界を変える」をテーマに三つのトークセッションもあった。
「石巻から世界を変える」では、3人が漁業や浜の暮らし、水産加工の取り組みや展望を語った。一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ)代表理事で漁師の阿部勝太氏は「今後漁師が減っていく中でも、今まで捨てていた物を生かせば所得向上とフードロス削減につながる」と述べた。
一般社団法人はまのねの亀山貴一代表理事は「自然の恵み豊かな浜には未来がある。課題をクリアし石巻からいろいろなモデルが生まれるといい」と語り、市内の水産加工会社「布施商店」の布施太一社長は「消費だけでなく循環させることも考え、価値の付かない魚にどう付加価値を付けるかも大事だ」と話した。