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緊急事態宣言 週末の人出まばら 物販、飲食業に打撃 石巻地方

買い物客の姿が少ない上品の郷の農産物直売所=28日午前11時10分ごろ
人がまばらなJR女川駅前=28日午前11時20分ごろ
密を避けて遊ぶ親子連れ=29日午前11時40分ごろ、東松島市の矢本海浜緑地公園

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2度目の緊急事態宣言が宮城県に発令されて最初の週末となった28、29日、石巻地方の観光地は人出が減り、観光施設や飲食店の関係者が複雑な表情を浮かべた。一方、移動を県内にとどめて自粛生活の息抜きをする人や、公園を利用する家族連れの姿も見られた。

 石巻市小船越の道の駅「上品の郷」は28日午前、利用者の姿がまばらだった。農産物直売所は通常、朝採れ野菜を目当てに買い物客が詰め掛ける時間帯だ。浮津康逸駅長(76)は「お盆は久々のにぎわいでようやく上向く兆しがあった。宣言発令は間違いなく打撃になる」と肩を落とす。

 JR女川駅近くのピザ店「イル・ガッビアーノ」の店主奥津圭祐さん(40)は、1度目の緊急事態宣言が発令された昨年4月に店をオープンした。「いつになったら状況が良くなるのかとずっと思っている。テークアウトで何とか持っているが、お酒がメインの店はもっと厳しいようだ」と言う。

 土日には県内外から多くの人が訪れる女川駅前だが、28日の人通りは少なかった。仙台市の会社員佐々木淳さん(49)は「近場で密にならない場所を選んだが、思った以上に人が少ない。どこの店も大変だと思うので、昼食を食べて帰ろうと思う」と店を探した。

 石巻市中央2丁目の「いしのまき元気いちば」は1階の物販エリア、2階の食堂とも、普段の週末より2割ほど客足が減っているという。米沢耕也マネジャーは「県内ナンバーの車がほとんどで、常連さんが多い。宣言が解除されたら、県外のお客さんにも来てほしい」と話す。

 東松島市の矢本海浜緑地公園には「遊具は使えるか」「噴水は出ているか」といった問い合わせが寄せられ、石巻地方だけでなく近隣の市町からも家族連れが遊びに来ている。

 子ども3人と訪れた石巻市蛇田の岩倉舞子さん(35)は「屋内よりも外で対策を取って遊んだ方が安全だと思った。遠くに行き過ぎず、動ける範囲で楽しませてあげたい」と語った。

 宣言発令に市民の不安も募る。幼稚園に通う6歳と0歳の子どもがいる石巻市美園の鷹見なつみさんは「子どもから大人への感染が増えているので幼稚園に通わせるのは心配。かといって休園になれば、子どもは出掛けたがるのに家にいなければいけないと思うとしんどい」と話した。

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