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旧鳴瀬桜華小が宿泊施設に 東松島市、移住・定住を促進

東松島市が高校生ら移住者の居住施設として整備を計画する旧鳴瀬桜華小校舎=東松島市小野

 東松島市は、小野地区の旧鳴瀬桜華小校舎を移住・定住促進施設として整備する方針を固めた。校舎2、3階の教室を改築し、192人が宿泊できる施設とする。地域おこし協力隊の隊員や農漁業を志す若者、日本ウェルネス宮城高の生徒らが利用する見込み。2022年4月の完成を目指す。7日開会する市議会9月定例会に関連議案を提出する。

 2、3階の計12教室を2分割し1室8人が宿泊できる居室とする。各階にシャワー室を設ける。1階部分は玄関付近のみ改装し、職員室などは別の利用法を検討する。

 整備費は設計、工事費を合わせて約1億7000万円。今年4月、旧鳴瀬町地域が国の過疎地域に選定されたことから、過疎債を活用する。返済時に半額を超す約8900万円を国が肩代わりする見込み。

 校舎は当初、20年4月にウェルネス高を開校した学校法人タイケン学園(東京)に市が無償譲渡し、学園が生徒寮として活用する計画だった。鳴瀬桜華小は今年3月まで旧校舎で授業をしていたため、学園は近隣に寮2棟(定員計120人)を新築。本年度に入って学園側は土地・建物とも譲渡を望まない意向を市に伝えた。

 活用を模索した市は、移住希望者が家を探す間の仮住まいや、市内で長期研修する大学生らの利用も見込めるとして、ウェルネス高の生徒増を視野に一定数の需要を想定。力を入れる移住・定住促進の施設整備を検討した結果、過疎債の活用が浮上し、整備方針を固めた。

 旧鳴瀬町地域は15年までの40年間の人口減少率が34%と著しく、今年4月に過疎地域の指定を受けた。

 8月27日にあった議員全員説明会で、渥美巌市長は「市内で学ぶ若者を支援し、人口を維持するため整備したい」と理解を求めた。

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