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「展示に最高の空間」 新たな拠点で石巻市美術展 来月、市複合文化施設

石巻市美術展の新たな会場となる市複合文化施設

 石巻地方の美術公募展として最大規模を誇る石巻市美術展(市美展、市・市教委・市芸術文化振興財団主催)が10月、同市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)を新たな拠点にして第一歩を踏み出す。主管する市美展実行委員会は「36回目となる市美展を、新しい文化空間で開催できるのがうれしい。複合文化施設を石巻地方の美術文化を育てる中心的な場にしていきたい」と意気込む。

 市美展は1982年、石巻中央公民館事業としてスタート。その後、会場を石巻文化センターに移したが、東日本大震災の津波で被災。公募展は休止を経て2014年に復活したが、会場が中心部から離れた市河北総合センターだったため足が遠のくファンも少なくなかった。

 今年4月に開館した市複合文化施設は待望の新拠点だけに、市美展関係者は心機一転で臨む。

 副実行委員長の千葉蒼玄さん(66)=書=は「建物の雰囲気が明るいしスペースも広い。震災から10年、作品を飾るのに最高の空間が生まれた。地元の人たちの作品発表の場にすることで、ここから文化的なつながりを生み、街に活気をもたらしたい」と話す。

 過去に市美展に出品した一人で、今は実行委員の柴田滋紀さん(45)=洋画=は「市民みんなで使う、楽しむ施設にしたいという思いは強い。その役割を果たすのが市美展。この機会に作品に挑戦してほしい」と呼び掛ける。

 懸念されるのが新型コロナウイルス感染症の影響。昨年、市美展は中止に追い込まれた。

 柴田さんはコロナ禍を見据えながら「今だからこそ美術など文化的活動が人間にとって必要。市民一人一人の心に少しでもいい時間を届けたい。新しい文化複合施設で、市美展が新たなスタートを切る意義がある」と強調する。

 第36回市美展は10月23~30日。(1)日本画(水墨画含む)(2)洋画(3)書(4)彫刻(5)陶芸-の5部門で作品を募集している。搬入(応募)は10月19日午後4~6時、市複合文化施設。連絡先は実行委事務局・市教委生涯学習課0225(95)1111。

第36回石巻市美術展 - 石巻市

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