石巻出身・弁護士布施辰治の偉業顕彰 碑前祭で功績しのぶ
石巻市蛇田出身の弁護士布施辰治(1880~1953年)の功績をしのぶ「碑前(ひぜん)祭」が11日、布施の顕彰碑がある同市あけぼの2丁目のあけぼの南公園であった。功績を伝える市民団体「布施辰治を顕彰する会」が主催。会員や布施の親族ら約50人が参加した。
顕彰する会会長の松浦健太郎弁護士はあいさつで「困った人にどう手を差し伸べるべきか布施は教えてくれる。地域から巣立った偉人を市民にもっと知ってもらいたい」と述べた。
布施は戦前日本の植民地統治時代に、日本からの独立を訴え拘束された朝鮮の人々の弁護を無償で引き受けるなど、常に弱者に寄り添った。2004年に韓国政府から日本人で初めて「建国勲章」が授与された。
出席した駐仙台韓国総領事の林熙順(イム・ヒスン)氏は「布施の民衆のために生きる信念は、朝鮮人に大きな影響を与えた。崇高な志を受け継ぎ、未来志向の韓日関係をつくるのが私たちの役割だ」と語った。
碑前祭の後、公園隣のいしのみなと教会で、布施辰治研究家で岩手日報論説委員の黒田大介さん(石巻市出身)が講話した。
碑前祭は命日の9月13日前後に毎年開催している。石巻市は11月3日に市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)内にオープンする市博物館の常設展示室に、布施辰治を紹介するコーナーを設ける予定。