「復興輪太鼓」海辺に響く 雄勝中生徒、地域に感謝し演奏
石巻市雄勝中の全生徒12人は16日、地域への感謝の気持ちを届け、笑顔になってもらう時間をつくろうと、雄勝地区の大須埼灯台前と大須漁港で「復興輪太鼓」の演奏を披露した。
大須埼灯台前では、地元の「伊達の黒船太鼓保存会」のオリジナル曲「伊達の黒船」を演奏。訪れた保護者や地域住民らは、波の音に混じって響く勇壮な太鼓の音に聴き入り、大きな拍手を送った。
孫2人が演奏に参加した阿部たぢ子さん(84)は「きれいにそろってとても上手だった。孫たちの成長を見られて良かった」と喜んだ。
雄勝中では東日本大震災後、津波で流された太鼓の代わりにタイヤで演奏した「復興輪太鼓」を生徒たちが受け継いできた。総合的な学習の時間で保存会の神山正行会長らに指導を受ける。
演奏会は、新型コロナウイルスの影響でイベントでの演奏や地域住民との交流機会が減ったため、子どもたちの元気な姿を見てもらおうと企画した。3年の大槻幸聖さん(14)は「今までで一番いい演奏をするぞという気持ちで、見に来てくれた人たちへの感謝を込めた」と話した。