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しょくば拝見>福祉施設 美徳(東松島市野蒜)

笑いが絶えない職員たち。内海社長(前列右から2人目)は「利用者さんが楽しめる環境を心掛けています」と語る

<再び集える憩いの場に>

 東松島市野蒜で「デイサービスセンターみのり」と「居宅介護支援事業所みのり」の2事業所を運営する。東日本大震災で被災し、古里を離れた人たちが集える場を作ろうと、かつての野蒜地区の中心部にかさ上げして新設し、2年を迎えた。

 送迎エリアは市内に加え石巻市、松島町、大郷町、大崎市鹿島台と幅広い。転出した高齢者が「なじみの友人に会える」と、利用日を心待ちにしている。

 「ありのままに過ごせる場所」を心掛け、利用者は料理やカラオケなどのサークル活動を思い思いに楽しむ。男性に人気のマージャンは、人数合わせにと近所のボランティアも駆け付け、にぎやかに卓を囲む。

 干し柿を作ったり、利用者が育てた野菜で昼食を作ったり、利用者の特技を引き出し、やりがいを感じてもらう工夫を凝らす。要望に応じて、釣りや買い物にも連れ出す。

 生活相談員の大橋ふみさん(55)は「通ううちに表情が生き生きとして、介護度が軽くなる人もいる」とやりがいを語る。

 内海徳彦社長(47)は、震災で妻貴子さん=当時(36)=を亡くした。妻と過ごした古里に交流拠点を作りたいと独立、自宅前で開業した。保育士として東京で働く長女の美夢(みゆ)さん(23)と一緒に、福祉と保育を一体化した施設に育てるのが夢だ。

 「子連れ出勤にも対応し、子育て中も正社員で働ける環境を整えたい」と内海さん。父と娘の夢を、職員のチームワークが後押ししている。

■会社概要
 介護福祉士の内海社長が2017年11月に設立し、19年7月にデイサービスセンターと居宅介護支援事業所を開所した。定員は1日当たり25人。80代を中心に94歳までの約50人が利用する。従業員はケアマネージャーや介護職員ら8人。経営理念は感謝・報恩。資本金は100万円。職員を募集中。東松島市野蒜亀岡53の1。0225(25)7145。

美徳

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