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石巻圏・新百景>長面地区の水田(石巻市)

再生した田んぼに稲が実り、黄金色に輝く。背後では尾の崎橋の架け替え工事が進む
秋晴れの水田で、刈り取りを待つ稲穂

 新北上川を挟み、対岸の石巻市北上町から長面地区を望む。長面浦入り口で架け替えが進む尾の崎橋を背後に、黄金色に色づいた水田が広がった。

 長面工区を含む大川地区の農地は、大規模圃場整備の最終盤で東日本大震災の津波被害に遭った。長面工区は長らく水に漬かり、がれき除去や除塩などを経て試験作付けや稲刈りに着手。2016年に一部で本格的な田植えを始めた。復旧を計画した全ての水田約220ヘクタールで、今年、全面再開した。

 長面地区は震災後、災害危険区域に指定されて居住できなくなり、住民は地区外に移り住んだ。ほとんどの水田のコメ作りを農業生産法人など市内の3法人が担い、個人では6人が取り組んでいる。

 周辺では防潮堤や橋、道路の整備が進む。被災を乗り越え再生した農地に新たな担い手が加わり、なりわいと秋の実りの風景が戻った。

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