秋の交通安全運動 横断幕やパレードで啓発 石巻地方
「秋の交通安全県民総ぐるみ運動」が21日、県内で一斉に始まった。石巻地方では関係団体による出動式や啓発活動に加え、児童の鼓笛隊のパレードがあり、参加者は交通事故防止に気持ちを新たにした。運動は30日まで。
女川で出動式
出動式は女川町と東松島市、河北署で実施された。このうち、同町の式典は町役場の駐車場であり、町交通安全指導隊や石巻地区交通安全協会女川支部、石巻署員や町職員など約60人が参加した。
須田善明町長は「どんな事故も一歩間違えれば大惨事になる可能性がある。運動にご協力いただき、みんなで安全な町づくりに取り組んでいきたい」とあいさつした。
石巻署の門間博文副署長は「町内では重傷事故が若干の増加傾向にある。この10日間で交通環境を改善するために力を貸していただきたい」と話した。
署員の号令でパトカー3台が出動した後、参加者は女川交番前で広報啓発活動を展開。約30人が道路沿いにのぼりや横断幕を掲げ、通行する車に安全運転や事故防止を呼び掛けた。
向陽小鼓笛隊がパレード
石巻市向陽小(児童376人)は、学校周辺で「社会を明るくするパレード」を開催した。6年生68人による鼓笛隊が校歌と「風になりたい」の2曲を演奏し、地域住民に交通事故のない町づくりを呼び掛けた。
鼓笛隊と石巻地区交通安全協会蛇田支部の会員ら約100人が学校周辺を行進。秋晴れの空にトランペットや鍵盤ハーモニカの音を響かせ、地域住民に元気と日頃の感謝を届けた。会員らは交通安全のメッセージを記したのぼりなどを掲げ、事故防止をアピールした。
パレードは東日本大震災をきっかけに始まった。秋の交通安全運動の一環として開くのは本年度が最後。初めて男子で指揮者を務めた真砂義彬君(12)は「緊張したけどリズムをしっかり取れた。地域への感謝の気持ちを込めて行進した」と話した。