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横綱白鵬引退「被災地支援ありがとう」石巻地方に惜しむ声

力強い相撲で観客を沸かせ、復興を後押しした白鵬関(手前左)=2012年8月7日、石巻市総合体育館
避難所となった女川町総合運動公園を慰問に訪れた白鵬関。サインや握手に応じて町民を勇気づけた=2011年6月7日

 第69代横綱白鵬(36)が現役引退の意向を固めたことが報じられた27日、石巻地方でも大横綱の引退を惜しむ声が多く聞かれた。

 白鵬関は東日本大震災の後、被災地を度々訪れた。2011年6月には、避難所となった女川町総合運動公園を幕内上位力士らと巡回慰問に訪れ、ちゃんこ鍋を振る舞い、握手やサインに応じて町民を励ました。

 土俵入りを披露した白鵬関は「しこは大地を鎮める意味があり、本場所のような気持ちで臨んだ。長く被災地を支援していく」と誓った。

 12年8月には被災地巡回慰問「復興応援フェスティバルin石巻」で石巻市を訪れた。通常の巡業にはない地元小学生との取組などもあり、市民に勇気と元気を与えた。

 当時、市体育協会会長として市内各所を案内した伊藤和男さん(74)は「被災地に心を寄せてもらった。引退は残念だが、今後は後進の育成に尽くしてほしい」と話した。「日和山公園から被災地を見てもらいながら、津波被害の様子を話すと熱心に耳を傾けてくれた。終始穏やかで優しい人柄を感じた」と当時を振り返った。

 以来、白鵬関の応援を続けてきたという伊藤さん。一人横綱の期間が長く、大きな責任を負っていたことや、最近はけがが多いことを心配していた。「本当にお疲れさまでした。復興が進んだ石巻の景色をぜひもう一度、日和山から一緒に眺めてほしい」とねぎらいと、願いを口にした。

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