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移動図書館「ひより号」、老朽化で今月廃車 心の復興支える

最大3000冊を収容でき、市民に読書の楽しみを届けた移動図書館車「ひより号」

 移動図書館車ひより号は1972年から2019年までの間、初代と2代目の車両で運行し、市民に読書の楽しみを届けた。老朽化のため10月に廃車を迎える。感謝を伝えるイベント「ありがとう移動図書館車ひより号」は10日まで。

 ひより号は主に渡波、稲井、蛇田地区で運行された。05年の市町村合併を機に巡回を終了したが、東日本大震災後、全国から寄付された本を集会所や仮設住宅団地へ届けるため復活した。仮設住宅がなくなったことに伴い19年に業務を終えた。震災後8年間で、約10万キロメートルを走り、延べ2万人が利用、10万冊の本が貸し出された。

 2、3、9、10日はひより号が同館敷地内に駐車、自由に写真を撮ることができる。いずれの日も午後2時半~3時半はひより号の中に入ることもできる。

 期間中、ひより号の模型を作る紙のキットやイラストを使った記念読書通帳を配布。ひより号のスタンプを押したり、メッセージを寄せたりと、ひより号との思い出づくりを用意した。

 同館職員の斎藤麻理奈さん(29)は「震災後は『心の支援』として活躍した。一緒に仮設住宅を回った日々は思い出深い」。図書館を訪れた同市渡波の福島隆子さん(69)は「市報で巡回日を確認してよく利用した。『お疲れさま』と声をかけたい」と話した。

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