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健康志向の顧客つかむ 東松島長寿味噌「藻おみそ汁」、DHA配合

お湯を注ぐだけで食べられるフリーズドライみそ汁

 東松島市大塩のみそ・しょうゆ製造販売「東松島長寿味噌(みそ)」が販売するフリーズドライ商品「藻(そう)おみそ汁」に、首都圏の消費者からの注文が相次いでいる。血流改善などが期待されるという、藻類由来のドコサペンタエン酸(DPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)を配合し、健康志向の顧客の心をつかんだ。

 国産原料を100%使った長寿味噌をベースに、筑波大発ベンチャー企業SoPros(ソープロス)=茨城県つくば市=が開発した微細藻類の乾燥粉末を加えた。ホウレンソウと油揚げを具材とし、だしを使わず、こうじの風味と藻のうま味を生かした。

 昨年2月、東松島長寿味噌として初のフリーズドライみそ汁として販売を始めた。今年9月には「豆乳入り」も商品化した。より大豆の甘みを感じられるまろやかな味わいだ。1箱10食入りで2160円。

 同社によると、購入者の8割は東京の医療従事者という。健康への意識の高さに加え、お湯を注ぐだけでみそ汁が味わえるという食生活への取り入れやすさも受けたと見られる。

 微細藻類の商品化に取り組むソープロスは、大手自動車メーカーらが参画するベンチャー企業が主要株主となり、機能性食品などへの応用を研究している。従来、DHAなど高度不飽和脂肪酸の原料は魚油が中心だったが、原料の安定確保や不純物の除去、ベジタリアンやアレルギーへの対応から、海外では微細藻類への転換が進んでいる。

 ソープロスの社外取締役も務める東松島長寿味噌の橋本孝一社長(73)は「発酵食品という日本古来の食品に、近代の技術を生かした食品。食生活に取り入れ、健康に役立ててほしい」と語り、生産体制を拡充して生産量を増やし、コストダウンを目指す。

 新型コロナウイルスの対応に奮闘する医療従事者を支援しようと、同社は9月22日、桃生郡医師会に1000食を贈った。

 連絡先は東松島長寿味噌0225(83)1550。

東松島長寿味噌

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