石巻圏・新百景>石井水門(石巻市水押)
<市民が親しむ水辺空間>
重厚な扉を備え、北上川と北北上運河の結節点にたたずむ。東日本大震災の津波で被災し補修された国の重要文化財(重文)石井閘門(こうもん)の治水代替施設としての役割を担う。
北上川の復旧復興事業の一環で、国土交通省北上川下流河川事務所が約30億円をかけて整備した。2015年度に着工し、石井閘門の建造から約140年後となる昨年完成した。
計画堤防高より低い石井閘門は、重文であることや老朽化のためかさ上げが難しく、水門の新設に至った。観音開きにゲートを開閉する「マイターゲート形式」を採用し、高さ8.5メートル、幅7.5メートル、重さ約39トンの巨大扉2枚を設置した。
周辺は散歩を日課とする人や通学中の高校生、カヌーを楽しむ子どもたちの姿が見られる。多くの市民に親しまれる水辺空間に、地域を守る新たなシンボルが加わった。