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新型コロナワクチン2回接種、今月中8割へ PRに懸命 石巻地方2市1町

連日多くの市民が訪れている石巻市の集団接種会場=6日午後1時30分ごろ、市ささえあいセンター

 石巻地方2市1町の新型コロナウイルスワクチンの2回接種が終盤に入った。1回目の接種率はいずれも8割を超え、10月中に全体の8割以上が2回接種を終える見通しだ。東松島市、女川町は9月末で集団接種を終え、個別接種のみに移行した。石巻市は11月中旬まで設けた集団接種の追加枠で接種を終える計画。各市町は接種率向上へ最後の呼び掛けに力を入れる。

 2市1町の年代別の接種状況は表の通り。優先的に接種した65歳以上の2回接種率は9割を超えた。10~30代は比較的低いものの、1回目接種率は7~8割の水準に乗った。

●石巻市 救済措置を用意、22日までに接種を

 石巻市は現在、集団接種を平日の日中と夜間、土日に実施。各医療機関での個別接種も組み合わせ、追い込みを掛ける。予約状況などから10月末で全体の接種率が8割に達すると見込み、希望者への接種にめどがつくと判断した。

 ただ、10月中に打てない人のための「救済措置」(市健康部)も設けた。11月12日までに市ささえあいセンターで約1600人分の接種枠を用意し、予約を受け付けている。

 1回目の接種日は10月22日が最後になる。健康部の担当者は「さまざまな接種機会を用意してきた。これが最後になるので、希望する人は忘れずに予約を」と注意を呼び掛ける。

●東松島市 若い世代中心に呼び掛け継続

 東松島市は10月以降、医療機関での個別接種のみを実施する。終了時期は定めていないが、10月中に1回目を打つよう促す。

 市は64歳以下の接種率を10月末に8~9割にしたい考え。現状は62・3%。目標達成には若い世代の接種加速が必要で、市報や防災行政無線で呼び掛ける。

 10代に対してはこれまで、学校でのクラスター(感染者集団)予防のため接種しやすい環境を用意した。高校生ら16~18歳の集団接種を県内で唯一実施。中学生は保護者と一緒に予約・接種を受け付けた。

 現在の個別接種は平日か土曜午前に限られ、働く世代の接種には職場の理解が欠かせない。市ワクチン接種推進室の担当者は「仕事を休むのに遠慮があるかもしれない。職場での配慮をお願いしたい」と求める。

●女川町 事前啓発に注力、1回目は9割超

 女川町は全体の1回目接種率が9割を超え、10月からは町地域医療センターでの個別接種に切り替えた。若年層は接種開始が遅かった影響があり、予約状況から接種率は今後伸びると見込む。

 町は予約開始当初から2回分をまとめて受け付けし、75歳以上は電話で、12~74歳は電話とインターネットを併用して電話回線の混雑を緩和した。区長会での声掛けや、水産加工会社などに勤務する外国人技能実習生には接種券を持参するなどし、接種を促した。

 町健康福祉課の担当者は「町民の接種への意識が高かった。事前の啓発に力を入れたこともあり、順調に進んだ」と話した。

 2市1町とも今後12歳の誕生日を迎える子どもには個別に対応し、接種してもらう。


<石巻地方、6日連続で感染者ゼロ>

 県は6日、県内(仙台市を除く)で新たに新型コロナウイルスに感染した人はいなかったと発表した。石巻地方の新規感染者ゼロは6日連続となった。

 6日午後3時時点で県内の療養者は85人。入院中は37人(うち重症者は3人)で、確保した470床の使用率は7.9%(同5.6%)だった。

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