生カキ出荷始まる 実入り良し 県漁協
県漁協は11日、今季の生食用カキの出荷を始めた。海水温が高かったことなどから成育が遅れ気味で、出荷の解禁日を例年より2週間程度遅らせてのスタートとなった。
石巻市渡波の県漁協石巻湾支所「万石浦鮮かき処理場」には、前日に万石浦や長浜沖で水揚げし殺菌処理したカキ約2トンが搬入された。生産者ら約200人が午前6時半ごろから、手際良く殻をむいていった。
石巻湾支所かき部の斎藤幸一部長は「実入りが良く店頭に出しても恥ずかしくないものになった。寒くなればもっとふっくらするので好きな食べ方で楽しんでほしい」と喜んだ。
市内であった入札には石巻、気仙沼両市と女川町などから11トンが運ばれた。10キロ当たりの平均価格は2万2828円。高値は2万9000円、安値は1万5910円だった。県漁協かき部会の須田政吉部会長は「シーズン到来時に新型コロナウイルスの影響がなくなってきたので、価格や流通の面で今年は期待が持てる」と話した。
県漁協によると、今季は1600トンの生産を見込んでいる。出荷期間は貝毒発生に伴う出荷自主規制や新型コロナ禍に伴う価格低迷の影響などを考慮し、来年6月末までとする。石巻地方では来年3月までがピークで、一部地域では6月末まで続けられる予定。