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トリプル選挙あす投開票 6候補、きょう最後の訴え

 第49回衆院選、知事選、県議選石巻・牡鹿選挙区(定数5、欠員1)の補欠選挙は31日、投票が行われ、即日開票される。トリプル選は大詰めを迎え、各陣営はそれぞれ一騎打ちの戦いを制するため、支持固めや浮動票の取り込みに総力を挙げる。

衆院選・宮城5区

 宮城5区は、9選を狙う立憲民主党前議員で党国対委員長の安住淳氏(59)と、元タレントで自民党新人の森下千里氏(40)=公明推薦=が立候補している。

 安住氏は、前政権の後手に回った新型コロナウイルス対応を取り上げ「コロナ禍で一番痛みを受けた所に温かい手を差し伸べる政治が自民党には足りない。政治の責任を取らせないと駄目だ」と語気を強める。

 岸田文雄首相が自民党総裁選で主張した金融所得課税の強化を当面見送ったことや、先進国では日本だけが取り入れていない選択的夫婦別姓制度の導入に慎重な姿勢を批判している。

 安住氏は「1強政治を終わらせ、野党が強くなれば日本の政治は良くなる。今こそ、政治を刷新する」と力説する。30日は本人が午後5時以降、石巻市で遊説し、支持固めを徹底する。

 対する森下氏。三原じゅん子前厚生労働副大臣が28日、東松島市や石巻市に入り応援のマイクを握った。

 三原氏は「石巻地方出身ではなくても地域を何とかしたいという思いで、家族や仕事の関係者を説得してやって来た覚悟がある」と強調。「石巻を復興させ、光を与えるために勝たせてほしい」と訴えた。

 森下氏は「国政の光を石巻に当て、住民の暮らしを豊かに、幸せを形にしたい。10年後、生活を振り返り、『こうして良かった』と思える選択をしてほしい」と声を張り上げた。30日は石巻市中心部などを回り、浮動票の取り込みに注力する。

 18日現在の有権者は25万2831人。

◇遊説日程(30日)
【安住陣営】
▽選挙カー=石巻市飯野川、南三陸町、東松島市矢本、石巻市中浦、双葉町、泉町、大街道、青葉、茜平、のぞみ野、あけぼの
【森下陣営】
▽選挙カー=石巻市中里、鹿妻、駅北、アイトピア、立町、あけぼの、あゆみ野、山の手、元気いちば、千石町、山下、向陽町

安住  淳 59 党国対委員長 立前(8)  

 あずみ・じゅん 石巻市出身。早稲田大社会科学部卒。NHK記者を経て1996年初当選。旧民主党政権で防衛副大臣、財務相。立憲民主党国対委員長。

森下 千里 40 元会社代表 自新(公推)

 もりした・ちさと 名古屋市生まれ。名古屋学院大中退。2002年にタレント活動を始め、16年に会社設立。19年に芸能界を引退し、21年4月から党宮城5区支部長。

知事選

 任期満了に伴う知事選に立候補しているのは、共に無所属の新人長純一氏(55)と、5選を狙う現職村井嘉浩氏(61)。4期続いた村井県政への評価と、東日本大震災からの復興の方向性、新型コロナウイルス対策が主な争点となる。

 「対話基調の県政」を掲げる長氏は、市民団体や野党系県議らが共闘態勢を築き、医療福祉の拡充や女性の視点に立った子育て支援を訴える。東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)再稼働の「地元同意」撤回を公約に盛り込んだ。

 石巻市で被災者の健康を支えた経緯から、29日は石巻市の復興住宅を重点的に巡り、声をからした。

 村井氏は、本格的な人口減少に備えた「民の力を最大限生かす県政」の継続と発展を訴える。

 政権与党の自民、公明の支援を受け、県と市町が連携した復興完遂を強調。コロナ対策の強化や、子育て環境を整備する基金創設のほか、仙台医療圏4病院の再編構想の実現や、県産品の輸出に向けた国際航空貨物輸送便の誘致を公約に盛り込んだ。

長  純一 55 医 師 無新   

 ちょう・じゅんいち 東京都出身。信州大卒。長野県の病院勤務を経て2012年、石巻市立病院開成仮診療所長。21年2月まで市包括ケアセンター所長を務めた。

村井 嘉浩 61 知 事 無現(4)  

 むらい・よしひろ 大阪府出身。防衛大学校卒。陸上自衛隊東北方面航空隊などを経て県議3期。2005年の知事選で初当選し4期目。

県議補選・石巻牡鹿区

 県議補選には、自民党元議員の池田憲彦氏(68)=公明推薦=と、無所属新人の加納三代氏(45)が立候補している。

 池田氏は、少子高齢化や人口減少に危機感を募らせる。人口問題では大崎市との差が1万1000人余り(9月1日現在)に迫っていることに触れ、「第2県都として雇用の場の確保など産業振興を図らなければならない」と述べ、支持拡大を訴えている。

 加納氏は29日、旧石巻市市街地のスーパーを回り、子育て世代や高齢者らの支持固めに奔走した。「石巻、女川のハード整備は整ったが、ソフト面や運営は自治体に任されている。孤立防止や補助金返済への手厚い支援が得られるよう働きかけていく」と強調した。

池田 憲彦 68 会社役員 自元(4)(公推)

 いけだ・のりひこ 1953年、旧河南町生まれ。明治大政経学部卒。97年の県議補選で初当選し、通算4期。県議会議会運営委員長などを務めた。

加納 三代 45 会社役員 無新    

 かのう・みよ 鹿児島市出身。慶大大学院修了。2012年衆院選宮城5区に自民党公認で立候補し、落選。比例東北で復活当選し、1期務めた。

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