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水産業の魅力紹介 石巻専修大でセミナー 地元就職率の向上図る

石巻うまいもの株式会社の幹部が商品開発や仕事の面白さなどを語ったセミナー

 県東部地方振興事務所と石巻専修大は11月30日、1年生へのキャリア教育の一環で、地元企業の経営者によるセミナーを開いた。学生に石巻地方の産業や企業を知ってもらい、地元就職率向上を図ろうと初めて企画。東日本大震災後に石巻市内の水産加工会社など10社で設立した「石巻うまいもの株式会社」の幹部3人が仕事の魅力を語った。

 全学部の1年生が参加。新型コロナウイルス対策として学内の3会場をオンラインで結んで実施した。同社の木村一成社長、平塚隆一郎副社長、阿部壮達取締役が登壇し、組織の成り立ちや間もなく売り上げ100万食となるヒット商品「石巻金華茶漬け」の開発秘話などを紹介した。

 平塚副社長は連携が奏功した理由の一つを「石巻は同じ水産加工でもカキ、サバ、タラコ、海藻など扱う物がばらばらで各社の得意分野を生かせる。他の地域ではそうはいかない」と説明。「アイデア次第で地方の小さな会社が、大手メーカーにも勝てるのが食品の魅力だ」と語り掛けた。

 仕事の面白さについて、木村社長は「商品を育てるのはメーカーにしかできないこと。そこも面白い」と話し、阿部取締役は「大変なことにチャレンジして乗り越え、お客さんに喜んでもらうことに価値がある」と述べた。

 講話後、学生からの質問が相次いだ。経営学科の中村琉暉さん(19)は「明確な進路は決まっていない。商品開発について経営者に直接話を聞けて勉強になった」と振り返った。

 振興事務所によると、今春同大を卒業して就職した人のうち石巻圏域への就職者の割合は7・1%で、ここ数年は1割未満にとどまっているという。担当者は「県外出身で石巻の産業・企業をあまり知らない学生も多い。1年生のうちから興味を持ってもらい、1人でも多くの地元就職につなげたい」と話した。

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