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犠牲者ゼロへ 「みやぎ震災伝承」官民合同研修会 備えと心構え重要 石巻

震災伝承に取り組む個人、団体などが参加した研修会

 東日本大震災の伝承に取り組む県内の個人や団体が学び合う「みやぎ震災伝承」官民合同研修会が13日、石巻市の石巻南浜津波復興祈念公園内の「みやぎ東日本大震災津波伝承館」であった。

 伝承活動を担う民間組織や自治体職員ら約50人が参加。東北大災害科学国際研究所の森口周二、佐藤翔輔両准教授が講師を務めた。

 森口氏は2019年の台風19号で甚大な被害を受けた丸森町を例に「気候変動の影響で、これまで影響が出にくかった東北地方でも影響を強く受けることが出てくるだろう」と指摘。「丸森町のようなケースが発生すると想定した備えが必要になる」と強調した。

 佐藤氏は19年の豪雨で大郷町を流れる吉田川の堤防が決壊し、中粕川地区が甚大な浸水被害を受けたが、大半の住民が早期避難したため、犠牲者が出なかったことを説明した。

 犠牲者ゼロの要因を「住民の方々が避難準備が出された明るい時間帯に活動を始めたことが大きなポイント。助ける側も避難の基準を決めていたので、無事に逃げることができた」と語り「災害と隣り合わせの生活をしていると考え、一つギアを上げた行動を心がけてほしい」とアドバイスした。

 研修会は県が公益社団法人「3・11みらいサポート」(石巻市)に委託して開催。講話のほか、津波伝承館を活用した連携企画のアイデアなどを出し合うグループワークもあった。

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