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御神火に息災祈る 正月飾りたき上げ 石巻・どんと祭

御神火に手を合わせ、1年間の無病息災を祈る人々

 小正月の伝統行事「どんと祭」が7日、石巻市の神社などであった。市民は燃え上がる御神火に正月飾りなどを投げ入れ、1年間の無病息災を祈った。

 同市住吉町1丁目の大島神社は、境内下の北上川河岸堤防に、たき上げ場を設置した。桜谷隆宮司(70)が神事を執り行った後、午後4時ごろに点火。積み上げられた正月飾りが、はじけるような音をたてて大きく燃え上がった。

 訪れた人々は縄飾りや繭玉などを炎に投げ入れ、赤々とした火を見つめたり、静かに合掌したりした。住吉町1丁目の鈴木照子さん(86)は「新型コロナウイルス禍がまだ心配なので、1年間健康でいられるように祈った」と話した。

 東日本大震災では津波が神社周辺に押し寄せたが、周囲より高い場所にあった本殿は無事だった。震災後に敷地を堤防と同じ高さにかさ上げし、昨年3月に新しい鳥居が完成した。桜谷宮司は「震災前の雰囲気が残るように整備し、今年も地域の方々が来てくれた。神社を残し、行事を続けてきてよかった」と語った。

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