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仙台四方よし「宣言企業」 ダイワ技術サービス【PR】

 仙台市は売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」に、働き手よしを加えた「四方よし」を実践する地元企業を顕彰している。2020年1月からは、四方よし企業として積極的に取り組む「宣言企業」を募り、その普及を進めている。広がりをみせている四方よしの最前線を紹介する。

若者の採用やノウハウの伝承に向けさまざまな取り組みを進める小川稔代表取締役社長

 ダイワ技術サービスは、高い測量技術で建設現場を支え、社会資本整備の一翼を担う。

 特に、最先端の3次元計測の分野で強みを持つ。ドローンや車などに機材を搭載し、山間地や海、ダムの計測をレーザーで行い、高精度で効率的な測量を実現している。

 小川稔社長は「首都圏の大手企業を除けば、これだけの設備を持っている会社はあまりない。恐らく東北で一番でしょう」と胸を張る。

 一つ一つの機材は高価だ。「ドローンに搭載すれば、スーパーカーを空に飛ばしているのと同じ」と小川社長は苦笑する。それでも着々と配備をしてきたのは、東日本大震災の復興需要がなくなることを見越した先行投資だった。

定年後技術者による現場の安全パトロール

 最先端の取り組みをしている同社でも、頭を悩ませていることがある。団塊世代が大量定年退職を迎える中、若者から「建設業界はきつい、危険、休暇が取れない」と敬遠され、業界全体でノウハウの伝承が危ぶまれていることだ。

 そこで同社が始めたのが、定年後の熟練技術者の雇用だ。他社を含めた定年後の技術者を採用することで、建設業界における熟練技能の消失を防いでいる。現在同社には9人在籍し、全社員の16%を占める。

 経験豊富な定年後技術者が、新入社員や中途採用で初めて建設業界に入った社員にノウハウを伝えるとともに、現場の安全パトロールをして安全管理に関する助言・指導を行い、事故などの未然防止に貢献している。 
 「(この業界は)ミスや事故がないことが前提。そのためにキャリアを積んだ方の経験値は大きい」と小川社長は語る。

 建設業界全体のイメージ向上を目的に、若者の新規採用に向けた広報活動にも積極的に取り組む。震災直後から仙台工高の生徒をインターンとして受け入れているほか、他校や専門学校への出前授業もしている。業界が最新の技術を活用した魅力ある職場に変わりつつあることや、「ゆとりある、安全、給与が高い、休暇が取れる」雇用環境にきていることなどを生徒にアピールしているという。

 小川社長は「当社の取り組みを通じて、建設業界全体のイメージアップにつなげていきたい」と話す。

育児休業取得中の風景

 同社では、働きやすい職場づくりにも力を入れている。2019年に男性社員から育児休業取得の相談があったのをきっかけに、家庭と仕事の両立を目指すことを決定。社員全員が働きやすい環境をつくることで、能力を十分に発揮できるようにすることが狙いだ。子育てに関する各種制度をまとめたリーフレットを社員へ配布したり、管理職向けの研修を実施したりして育児休業などを取得しやすい環境づくりに取り組んできた。

 これまで入社5~15年の男性社員が1カ月間の育児休業を取ったり、保育園送迎のための時短勤務をしたりしている。「職場環境を整備することで、安心して働いてもらえれば」と小川社長は語る。

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