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しょくば拝見>半導体製造装置の部品加工 サワ(東松島市川下)

精密加工の技術を磨き続ける社員たちと山口社長(前列左から11人目)=東松島市の宮城第3工場

<他社が断る仕事も受注>

 半導体製造装置の重要部品の加工製造を行う。本社は山梨県上野原市。東日本大震災直後の2011年4月、東松島市のひびき工業団地に宮城工場を建設して以来、拡張を重ねて今月3日、団地内で四つ目の工場が稼働を始めた。

 発注元の要望は断らないのが信条だ。他社が断った仕事を受注し、重要部品の加工に加え、組み立てや製造装置の輸出用部品など業務の幅を広げてきた。21年夏には東京エレクトロン宮城(大和町)から協力会社60社の中で最も貢献があったとして「優秀取引先表彰」を受けた。

 交代勤務が多い製造業では珍しく、日勤のみ、土日休みを採用。社員が望まない転勤や異動は行わない。山口能史(たかし)社長(46)は、自身の会社員時代の経験から「安心して働けることで技術が定着し、会社の成長につながり生産性が高まる」と強調。石巻地方を中心に85人を雇用し、さらに30人増やす計画だ。

 製造部仕上げグループのリーダー鈴木康(こう)さん(30)は「会社は新しい機械の導入など現場の提案を積極的に取り入れ、年齢を問わず評価してくれる。やりがいは大きい」と語る。

 2年以内に市内に第5工場を建設する計画だ。さらに半導体分野で培った技術を生かし、航空機や電気自動車の水素ステーションなど新たな分野の部品加工への進出も視野に入れる。

 山口社長は「今の業績は通過点。今後も社員と知恵を出し合い、投資を惜しまず挑戦し続ける」と意気込む。

■会社概要
 1923年、佐波鉄工所として山梨県で創業し、織機の製造と販売修理業を開始。2011年4月、東松島市ひびき工業団地に宮城工場を建設後、拡張を重ねて同団地内で四つの工場が操業する。従業員数は全社146人のうち宮城工場が85人。資本金1000万円。21年2月、社会人サッカーチーム「コバルトーレ女川」のスポンサーに就いた。東松島市川下字内響131の84。0225(98)3237。

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